相伝に秘められた家族の歴史、家族の物語を、

伝える者、受け継ぐ者、見守る人々のそれぞれの立場で描きたい。多くの伝統的手技が断絶の危機に瀕する状況の中で、それでも継承する、継承しなければならない伝統、文化とは何か。社会にとって、それがなぜ必要なのか。

相伝 心のはなし
The succession of the family secrets.

桐箱をつくり継ぐ子もなきを幸せと光る刃先を灯に翳す夫
指物師としての廃業を決め道具を仕舞う日の職人の姿を、その妻が詠んだ歌だ。6代続いた家業を自分の代で廃業した。

「本物の味を正直に」
ものづくりの継承は
思想を継承すること

日本本土の南西の隅に枕崎市はある。人口20,447人*の小さな地方都市だ。まちと言った方がふさわしいかもしれない。このまちに一歩足を踏み入れると、あちこちから煙が立ち上り独特の香りが漂うことに気づく。ここは300年以上にわたって鰹節をつくり続けてきたまちなのだ。この小さなまちが鰹節を通じて日本の伝統的食文化を一心に支えてきた。

失ってからでは遅い
この国のあちこちで
起きている事実

鋏(ハサミ)についてあなたはどれほどのことをご存知だろうか? 私たちの暮らしの中で、鋏ほど身近な道具はないし、だからこそ何も考えずに日々手にしているのではないだろうか。鋏について特別知らなければならない情報など何もないのだ。もう一つ質問を重ねる。あなたの身の回りには何丁の鋏があるだろうか?

ここ種子島は
この国が経済成長の身代りに
失ってきたものの宝庫なのだ

種子島で暮らしいているうちに気づいたの、ここは日本の縮図なんかじゃないって。日本の社会が戦後一貫して経済成長の中で蹴落としてきたものがまだまだたくさん残っているのね。その一つひとつのことがこれからいろんなことを考えるにしても、行動するにしても、様々な視点を提供してくれるし、そういう意味でこの島は日本の社会が失いかけているたくさんの可能性を持っているのだと

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